北海道や動物にゆかりのあるマンガ家たちが「ノースサファリサッポロ」(以下、「NSS」)の動物たちを個性豊かに描き上げ、大きな話題を呼んだ限定グッズ企画はいかにして立ち上がったのか?企画に参加したマンガ家たちはどのような方々だったのか。今回は商品開発担当者へのインタビューという形で企画の裏側へと迫った。インタビューに答えたのは……まさかの“馬”!?
――本日は、企画のご担当者としていろいろとお話をうかがえればと思います。よろしくお願いいたします。
馬:商品企画担当の馬です。インタビューを受けるのは初めてで緊張しています。
――私も馬にインタビューをするのは初めてで、とても緊張しています。スーツがお似合いですね。
馬:恐縮です。馬子にも衣装ですね。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
――……。
■コロナ禍で大きな影響を受ける動物園
――さっそくですが、今回のコラボ企画が立ち上がった経緯についてお聞かせいただけますでしょうか。
馬:今回のコラボレーションは、コロナの流行に端を発しています。北海道は昨年の早い時期から、コロナの影響を受けました。3月~4月は例年ですと繁忙期にあたる時期でしたが、すでに大流行の兆しを見せていたコロナの感染対策として、「NSS」は一時閉園を余儀なくされました……。動物園というのは閉園していても動物たちはごはんを食べますし、動物たちのお世話をする飼育員たちも勿論必要です。ですから、たとえ閉園していたとしても、動物たちのごはん代や飼育員の人件費などは通常時とほとんど変わらないんです。
▲当時の状況を振り返り頭を抱える担当者
――コロナ禍における動物園の実情をご説明いただきましたが、飼育費などの問題は外からだとなかなか気付くことができなかったので、改めてその影響の大きさに驚いています。
馬:収入は0になったのに、支出は普段とほとんど変わりがない。コロナによる影響は計り知れないものになりました。そこで、お客さまにご来園いただくことができない状況でも、WEBを通じて動物たちのごはん代を集めようという施策を行う3つのチームが立ち上がりました。「クラウドファンディング」、「公式Youtubeチャンネルの強化」、そして「マンガ家さんとのコラボレーショングッズの販売」です。
――なるほど。最近では動物園や水族館がアニメ作品とコラボするという事例も増えてきましたが、そういった流れもあっての企画だったのでしょうか?
馬:そうですね。そういった事例も増えてきているのは拝見しておりましたが、今回は単体のアニメ作品ではなく、地域密着型と言いますか“北海道”や“動物”にゆかりのある方々にお声掛けをして「NSS」ならではの企画を作り上げました。ですので、少し毛色の違ったコラボ企画になっていると思います。自分も馬車馬のように働きました。
――なるほど。そういった経緯があったのですね。
馬:私も企画と一緒に立ち上がって、四足歩行から二足歩行になりました。
――……。
馬:冗談です。