日頃からご愛顧いただき、誠に有難うございます。
5月8日の朝、飼育スタッフが1歳のオスライオン「バンナ」がいつもと違う動きに気づき、注意深く様子を見ていたところ、次第に食欲がなくなり、足取りもふらつき始めました。すぐに獣医師による診察を受け、点滴などの処置を行いましたが容体は回復せず、5月10日そのまま静かに旅立ちました。
バンナはそれまで体も大きく、食欲も旺盛で、元気に走り回る様子が見られており、私たちもまさかの出来事に大きな衝撃を受けています。
その後、大学病院にて行われた解剖検査の結果、「アーノルド・キアリ奇形2型」という先天性の脳の構造異常が判明しました。
アーノルド・キアリ奇形とは、脳の一部(小脳など)が本来の位置よりも下にずれ、脊髄を圧迫する先天性の疾患です。人間や犬などにも見られますが、外見ではわからず、MRIなどの精密検査を行わない限り、事前に診断されることは非常に難しいとされています。
また、この疾患は発症せずに一生を終えることもあり、バンナのように元気で異常が見られなかった個体が、成長やわずかな刺激をきっかけに突然発症するケースも報告されています。
大学病院での解剖結果を待ち、皆様へのご報告が本日となった事、何卒ご理解頂きたく存じます
今回の診断を受け、私たちも改めて、命の儚さと向き合うこととなりました。
妹の「ラナ」は現在も元気に過ごしていますが、今後は獣医師の指導を仰ぎながら、より一層丁寧に健康管理を行い、皆さまに安心して見守っていただけるよう努めてまいります。
短い命でしたが、バンナは私たちに大きな喜びと愛情を与えてくれました。
皆さまにも愛されたこの命を、どうか心に留めていただけましたら幸いです。